売れ筋CDj-pop屋

心に沁みる「Light Blue」
モンクとファイブ・スポットというと、どうしてもコルトレーンとの
競演時が”本命”という先入観があるのか今一つ知名度が低いですが、
私は長年好きでよく聴いています。
特に「Light Blue」は、モンク独特の濃密なしかも暖かい曲想で、大の
お気に入り。モンクの硬質なピアノの響きと、立て板に水の如きマイルド

なテナーの音がうまくブレンドして、聴くたびにうっとりします。
急速調の「Rhythm-A-Ning」は、グリフィンの水を得た魚のような
いかにもジャズというアドリブも見事ですが、それに対するモンクの
”虚を衝く”ようなソロもまたニヤリとさせられること請け合い。
名手ロイ・ヘインズのサポートぶりも、好感度大。
誰もレヴューを書かないくらいの名盤
　もう、傑作なのが常識のアルバム。モンクにとって初のライブ・アルバムで、個人的には全モンクのアルバムでベスト3に入れたい傑作。同時期録音の「ミステリオーソ」も常識名盤なので、これが気に入ったら購入するべし。

この歌声！
　ベスト盤なので、選曲のコンセプトが問われるが、ヴォーカル物（ナット・キング・コールは当初ピアノ・トリオをやってた）のヒット曲を20以上収めてるこのCDは、これ1枚で十分という内容だ。

　彼の歌い方は非常にソフトで暖かく、黒人ジャズ・ヴォーカルとしては異例の軽やかさだ。これで白人男性ヴォーカルなら、ただの気取り屋になるところが、独特の声質によって洗練された上品さとなっている。ロック＆ロールのレパートリーとしても有名な「Route６６」がここまで洒落た歌物になっているのを聴くだけでも価値ありです。

　個人的には今は亡き祖母が好きだった歌手だという思い出があって、こういう音楽がラジオから流れていた時代への憧れを強く感じさせる音楽。